おれは名探偵。真夏でもレインコートを着ているそこらの探偵じゃあるまいし、いつでも冷笑的ってわけにはいかない…。関川夏央、待望の第一小説集。
死んでしまった老人の依頼でポルトガルまで人探しに出かけたり、ヤクザの勢力争いに巻き込まれたり、おれの仕事は幅が広い。“ありふれた愛に関する調査”のほうに、孤独な探偵の命をおびやかす危険が待っていることが多いのは、なぜだろう。硬質の文体に、あふれる日本的心情を包んで胸に迫る第一作品集。 1991/10/01 発売