日本文学で初めて。アメリカを捨てて、新宿に向かった青いジャケットの青年…。全米図書賞に輝く鬼才が日本語で書いた、鮮烈なデビュー作。
横浜の領事館で暮らす十七歳のベン・アイザック。父を捨て、アメリカを捨て、新宿に向かう。一九六〇年代末の街の喧騒を背景に、言葉、文化、制度の差を超え、人間が直接に向き合える場所を求めてさすらう柔らかな精神を描く野間文芸新人賞受賞の連作三篇。「日本人の血を一滴も持たない」アメリカ生まれの著者が、母語を離れ、日本語で書いた鮮烈なデビュー作。 2004/09/10 発売