人間は生まれ持った運命から逃れられないものなのか。昭和30年、「55年体制」成立の前夜、信州の村で両親を焼き殺された男の、“運命”の軌跡。書下ろし推理巨篇。
元法務大臣・榎木雪夫の孫が誘拐された。1億円の身代金奪取のため犯人が仕掛けた巧妙狡猾なトリック。もうひとつの悪辣怜悧な陰謀。雪夫の義父で“昭和最後の怪物”と呼ばれる政界の重鎮・大河原善造一族の封印された過去が翳を落とすなか、事態は元秘書・平岡道義の業火の記憶と交錯していく。 1996/06/05 発売