史上最大の落城を鮮烈スリリングに描き、秀頼、淀殿の隠された人間悲劇に迫る傑作。
大坂の陣。幕府軍の攻勢を受け、豊臣家は存続の危機に瀕していた。陥落寸前の城で家康に対峙していた秀頼だったが、城内は混乱状態。母・淀殿が過去の罪を記していた日記を盗まれたことで錯乱し、混乱に拍車をかけていた。かねてから自身の出生に疑問を抱いていた秀頼もまた懊悩するが、敵軍を前にその決意を迫られる。大坂城を舞台に、母と子の過酷な運命を直木賞作家が圧倒的な密度で描き切った傑作歴史小説! 2014/05/24 発売