妹殺害の真犯人を追って十年、色男・銀次の岡っ引き稼業と恋の道行き。注目の新進女流時代小説作家、初の書下ろし長編。
誰がお菊を殺したんでェ。最愛の妹の命を奪った下手人を追って、大店の若旦那の地位を捨てた、人呼んで「泣きの銀次」。若き岡っ引きは、物言わぬ死体の声を聞いて涙する。お侠な娘、お芳の健気な想いを背に受けて、めざす敵は果たして討てるのか?鮮やかな筆が冴えわたる女流時代小説作家の人情捕物帳。 2000/12/15 発売