られん香の柳次は、手裏剣の名手にして売れっ子陰間。死の影をまとい、人生の表と裏の狭間に生きる。退廃と爛熟の江戸を揺るがす神隠し事件。時、同じくして紛失した長逆家伝来の朱槍。死の影が、ひたひたと柳次に忍び寄る。