名作「夕べの雲」から35年の時が流れ、多摩丘陵の家は夫婦2人だけの暮しになった。よろこびの輪をひろげ小さな楽しみを見つける愛に満ちた穏やかな日々。
名作『夕べの雲』から三十五年。時は流れ、丘の上の家は、夫婦二人だけになった。静かで何の変哲もない日常の風景。そこに、小さな楽しみと穏やかな時が繰り返される。暮らしは、陽だまりのような「小さな物語」だ。庄野文学の終点に向かう確かな眼差しが、ふっと心を温める。読者待望の、美しくもすがすがしい長篇小説。 2015/03/11 発売