12歳の夏ー。浜に倒れていたあの人。母のため息。家に寄りつかない父。-そして事件は起こった。21歳の今、あの夏の日々を振り返る。刑期を終えたあの人が帰ってくる…。罪と罰の深淵を見つめる魂の軌跡。
十二歳の夏に父を殺されてから、怒りと苛立ちを胸に一人で生きてきた。親を殺された者を見る、好奇の視線に抗うように。あの夏に何があったのか。なぜ父は友人に殺されたのか。二十一歳の今、敦也はなくした九年を埋めるために再び故郷を訪れる。胸に迫る衝撃の真相。著者の心情が強く投影された、魂の軌跡。 2005/09/15 発売