乱歩賞作家黒の謎
鳴海章『花男』-特殊な経緯で結ばれ普通の家庭を作った男を惑わす、妻と自分の「心に潜む謎」。桐野夏生『グレーテスト・ロマンス』-絶望から逃れるため、獄中の男は妄想を紡ぎ続ける。やがて、妄想の女から一通の手紙が届き-。野沢尚『ひたひたと』-少女時代に受けた心の傷から逃れられない女。その傷を与えた少年が当時のままの姿で現れた。三浦明博『声』-竿も持たずに釣り場に現れた男が尾行してきた…。バンブーロッドが取り持つ男の友情。赤井三尋『秋の日のヴィオロンの溜息』-来日中のアインシュタイン博士のバイオリンがすり替えられた。ケースはそのままなのに、なぜ。