文豪・谷崎潤一郎に愛され、世間の羨望の的になった松子。だが、谷崎の理想の女性であり続けようしたその生涯はほんとうに幸せだったのだろうか?愛と芸術の狭間の懊悩を描く長編小説。
便り屋・日々堂で代書をする剣術家・戸田龍之介は、剣でも恋でも道を譲ってばかり。だが、己が身を退けば丸く収まるはずが裏目の日々。実家と並ぶ鷹匠支配・内田家への婿入り話を譲つた異母弟・哲之助も、思わぬ不幸に見舞われていた。侭ならぬ人生の皮肉に悩む龍之介。そんな彼を、お葉の温かい眼差しが見守っていた…。人気沸騰の“泣ける”時代小説、第五弾。 2013/04/12 発売