この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 上
これはセックスと経済の物語
セックスは男が女にふるう根源的な暴力だ。
「週刊時代」の編集長、カワバタ・タケヒコは、仕事をエサに、新人グラビアアイドル、フジサキ・リコを抱いた。政権党の大スキャンダルを報じる最新号の発売前日、みそぎのつもりで行った、その場限りの情事のはずだった。
世俗の極みで生き続けた男が、本来の軌道を外れて漂い始める、その行き着く先にあるものは?白石一文が全身全霊を賭けて挑む、必読の最高傑作!
講談社創業100周年記念出版
第22回山本周五郎賞受賞
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イチローの年収とネットカフェ難民の絶望 僕たちの同情や共感には一体どれほどの根拠や理由があるのだろうか。 スクープ記事は大反響を呼ぶが、上層部から圧力がかかり、編集部内の人間関係もねじれ出す。もつれて膠着する状況のなかで、カワバタは、ある運命的な出会いへと導かれる。まるであらかじめ定められていたかのように。 思考と引用をくぐり抜けた後に、「本当のこと」が語られる。現代を描き続ける著者が、小説という表現の極限を突き詰めた渾身作。いよいよ完結! 講談社創業100周年記念出版 第22回山本周五郎賞受賞 2009/01/27 発売