小旋風の夢絃
春秋後期の衛国。小柄な十五歳の少年・小旋風は、盗掘を生業とする養父に育てられた。彼は盗掘の最中、生きているようにしか見えない、数百年前の少女の亡骸を発見する。彼女は伝説の楽器と思われる、華麗な琴とともにあった。その直後、落盤事故がー。小旋風は自分の唯一の武器である言葉を使って琴を売り、大金を手に入れようと決意する。第9回小説現代長編新人賞受賞作。
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●中国春秋後期の衛(えい)国。15歳の孤児である小旋風は盗掘を生業とする養父に育てられた。彼はいつものように王侯貴族の墓を掘り起こしている最中、数百年前の少女の亡骸を発見する。さらに驚くべきことには、その遺体は伝説の楽器と思しき華麗な琴とともに横たわっていた。それには金銀宝石よりも高く売れる可能性を秘めていると小旋風は直感する。持ち前の弁舌を駆使すれば一攫千金も夢ではないと目論んだ彼は、富裕層のいる都へと旅立つのだったが……。 序 章 埋もれた宝 第一章 決別の朝 第二章 音楽の獣 第三章 約束の夜 第四章 危険なふたり 第五章 お告げ 第六章 夢の絃 終 章 心のありか 2017/04/14 発売