夏のおわりのハル
夏休みが終わってバスに乗ったら、彼女に子供ができて電車に乗ったら、世界が少し変わっていたーー。
中学三年生のハルと、小さなデザイン事務所で働くダイチ。気がつくと二人は、いつもと「少し違う」世界に迷い込んでいた。白いうさぎ、奇妙な双子、会えない手品師、水色のワンピースの女……不思議でどこかなつかしいこの世界に、二人はこのままいたいのか、抜け出したいのか。
あの日、何かができたのかもしれない。追憶が導く、過去と未来を繋ぐ“夢の中”。
一作ごとに違う風景を見せてくれる実力派作家の待望長編。