その愛の程度
職場の親睦会を兼ねたバーベキュー。娘の菜月が溺れるのを見て、とっさに川に飛び込んだ豊永の腕の中にいたのは、娘ではなく別の女の子だった。「お父さんは菜月をたすけてくれなかったもん」その日から、血のつながりのない娘は口をきいてくれなくなり、七歳上の妻との関係もぎくしゃくし始めてしまい…期待の新鋭が描く、新しい家族と愛の形。
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その愛の程度その愛の程度
結婚して、離婚して、新しい人に恋をして、 それでも「家族」は続いていく。 2019年本屋大賞2位『ひと』で話題の俊英がおくる、新しい家族の物語。 川遊びの最中、小学生の娘・菜月が友人の娘と溺れるのを見て、とっさに助けに飛び込んだ守彦。 必死の想いで引きあげた腕の中には、菜月ではなく友人の娘がいた。 「お父さんは菜月をたすけてくれなかったもん」 その言葉を最後に、口をきいてくれなくなった血の繋がらない娘。七歳年上の妻ともすれ違いはじめーーー。 困り果て、とりあえずの間と家を出る守彦だが、会社の後輩や、川遊びに来ていたシングルマザーとの何気ない会話の中で、娘と妻への本当の気持ちに気づかされていく。 いつもあと一歩が踏み出せない、不器用な守彦の出す答えが心にしみる、新しい家族の物語。 2019/09/13 発売