姿三四郎(地の巻)
紘道館の俊英姿三四郎に、苛烈な試練が次々と襲いかかる。柔術諸派との興廃を賭けた対決につづくアメリカ人ボクサーとの変則的な興行。その陰には、怨みを越えて彼を慕う乙美を身売りから救おうとする強い決意が秘められていた。だが、金銭を得る興行は、紘道館からの破門を意味していた…。快男児の激情と懊悩を、柔道の苦難の青春期に重ね合わせて描く渾身のロマン、いよいよ波乱万丈。
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文明開化の波は、日本武道にも押し寄せていた。理論に裏打ちされた近代柔道を模索する矢野正五郎の紘道館に身を寄せた若者・三四郎は、苛酷な稽古に耐え、紘道館を敵視する古式柔術、唐手、さらにはボクシングをも次々に打ち破っていく。興隆期に向かう明治の時代相を背景に、柔道草創期の苦難を生きた天才児の野望と成長の姿を雄渾に描き上げた、大衆文学史に輝やく入魂の青春物語。全三巻。 1996/04/20 発売