盗聴
「な、何の真似だね、それは…。おい、気は確かか…」老人の声がうわずり、椅子が激しくきしむような音が上がった。違法電波から聞こえてきた生々しい“殺人現場”の音。「狩り」に出た盗聴器ハンターが都会の夜でとらえたものとは?今が“旬”の気鋭が送る初めての短編集。表題作ほか秀作ミステリ4編。
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盗聴盗聴
再会-黒く塗り潰された電話のメモ。再会した同級生の中に、妻を死の淵へ追いやった者がいる。漏水-新築したばかりの家を訪れた怪しげな男。漏水調査係と名乗るが、男には別の目的が…。タンデム-ライダーの命を奪い、男女の仲を引き裂いた一本のワイヤーロープ。暴走族グループの犯行か。私に向かない職業-ナイフで刺された男を見て、私は立ち尽した。組事務所の屋上を訪れたしがない探偵のとる道は。秀作ミステリー5編。 1994/05/25 発売