小説 琉球処分(上)
物語の背景
ぼんやり王国
恩賜の「琉球藩」
一葉落ちるころ
属領見習
与那原良朝の夢と現実
日本よ裏切るな
外交だらけの国
巨塔と古井戸
冷える夏
処分官と弁当
首里城南殿
屋良座沖の野望
ただふしぎな蒙昧
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沖縄問題はすべてここから始まった。今だからこそ、圧倒的リアリティーをもって読める日本政府と琉球王国の話。 処分官として派遣された松田道之が琉球に突きつけたのは、尚泰(しょうたい)王の上京、清国への朝貢禁止、明治年号の強制など独立どころか藩としての体裁をも奪うものであった。琉球内部でも立場により意見が分かれ……。「世界で軍隊をいちばんきらうという琉球」がどう対処するのか。小説で沖縄問題の根源に迫る不朽の名作。 <沖縄の人々の間に、かつて自らの国家であった琉球王国が存在し、それがヤマト(沖縄以外の日本)によって、力によって滅ぼされたという記憶がよみがえってくる。そうなると日本の国家統合が内側から崩れだす。この過程が始まっていることに気づいている東京の政治エリートがほとんどいないことが、現下日本の悲劇である。いまわれわれが直面している危機を認識するために、本書がひとりでも多くの人の手に取られることを望む。>--佐藤優 解説より ヘラルド情報 風雲遵奉書 白と黒のあいだ 滅びと念仏 国を売ること 前夜のひとびと 徒労と真実 ふたつの船出 死なない覚悟 エピローグ あとがき 2010/08/12 発売