一角獣の繭 建築探偵桜井京介の事件簿
六月の緑の森の、白い花の咲く木の下でぼくは君と出会った。人の姿をした美しい一角獣(ユニコーン)とーー。放火殺人の生き残りである少女に、宿命のように心惹かれていく蒼。しかし少女の母は、眼窩をイッカクの牙に貫かれて無惨な死を遂げる。すべてが明らかにされたとき、桜井京介の下した決断とは?
プロローグ──精霊の棲む森
プロローグ/モノローグ──たったひとつのあたしの望み
スゥィートルームの密議
山中異界
夜はさざめく
貴婦人と一角獣
陰画としての惨劇
小さな花のように
緑蔭百花譜
緑色のユニコーン
裁かれる時
優しい死神
エピローグ/モノローグ──たったひとつ、ぼくの望むこと
ノベルス版あとがき
文庫版あとがき