K
詩人として出発し、小説、児童文学など幅広く活躍してきた著者が、詩への志を同じくする配偶者との出会いから末期癌による辛い闘病生活の末の最期までを愛惜とともに描いた私小説。貧しい暮らしをものともしない生き方、自我のぶつかり合いによって築き上げられた特異な夫婦生活、常軌を逸した子供との結びつき、詩と学問への執着、どこか平静な病気との向き合い方などを通して浮かび上がる「K」の孤高の魂が感動を呼ぶ長篇小説。
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