新装版 小説太平洋戦争 (5)
「帝都の表玄関」でありながら絶体絶命の孤島と化した硫黄島。その地下壕に栗林中将以下、二万三千人の兵は敵襲を待つ。全滅する以外にない残酷きわまる運命は、隆盛日本の象徴・戦艦大和にも降りかかる。どんな悲惨がおとずれようと本土から助ける手段はもはやなく、沖縄では、最終特攻戦が始まっていた。
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和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。真の日本の苦悩を見抜いた山本五十六は、連合艦隊司令長官就任の祝宴で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。海軍報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。太平洋戦争年表、参考作戦地図入り。 2015/06/12 発売
日本の運命は三人の軍司令官に託された。マレー強行作戦陣頭指揮の山下奉文中将、比島の本間雅晴中将、蘭印の今村均中将。緒戦の勝利を踏まえ東条英機首相は、占領地域を固める方針だったが、山本五十六連合艦隊司令長官は猛反対。大戦の本質をとらえたうえで、完全なる勝利を目指してミッドウェーに出撃する。太平洋戦争年表、参考作戦地図入り。 2015/06/12 発売
活路をニューギニアに求めて大軍を上陸させた日本軍だが、米軍の反撃は圧倒的な物量とともに予想をはるかに上回る速さだった。増援の一兵も送れず炎熱と飢餓のなかで軍は壊滅。ビルマではインパール作戦の火蓋が切られたが、思わぬ作戦齟齬の罠が待ちかまえていた。鬼神をも哭かしむる壮烈な戦いが続く。太平洋戦争年表、参考作戦地図入り。 2015/06/12 発売
絶望的な「死の舞踏」をくりひろげた挙げ句、サイパン島は失陥、他の太平洋の島々にも累々と死屍が積まれた。和平に持ち込む戦略を持たない指導者たちは、逼迫するほど闘志を燃やし破滅に向けて狂奔。戦艦部隊の強行突入に国運を賭けなければならなくなる。もはや残された道は、玉砕と特攻しかなかった。 2015/07/15 発売