親鸞 完結篇(上)
東国から帰洛した親鸞に魔手が伸びる。専修念仏を憎悪する怪僧・覚蓮坊が、親鸞の長男・善鸞をそそのかし『教行信証』を奪おうとしたのだ。だが、その前に立ちはだかったのは、数奇な半生をたどり、宋の富商に身請けされたという謎の女借上、竜夫人だった。このふたりと、親鸞の因縁とは? 入魂の三部作、完結。
逢魔が刻の客
覚蓮坊の夢
西洞院の家
白河印地の党
船岡山の夜明け
竜夫人の秘密
美しい五月の朝に
唯円の悲しみ
夜にひそむ者たち
珊瑚の櫛
蜘蛛の糸のように
はるかなる年月
善鸞の野心
東国からの使者
男たちの密謀
心に吹く風
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偉大な師にして父親の親鸞に認めてもらおうと善鸞は東国行きを志願するが、父子の懸隔はかえって広がる。一方で最後の闘いの時も迫っていた。怪僧・覚蓮坊、謎の女借上・竜夫人、若き日に出会ったツブテの弥七、黒面法師らとの、永く深い因業が解き明かされる。そして、九十歳で入滅ーー。渾身の三部作、完結。 雪の日の対話 妙禅房からの誘い 父と子の対話 送りツブテの日 期待と失望 星をかぞえて 影の世界 涼の立場 東国からの噂 網を引くとき ツブテの遺言 針木馬の館 回想の人びと せまりくる足音 竜涎香の香り 夢まぼろしのごとく 群集と争乱 心なえる日々 大火に追われて 季節のうつろい 夜中に現れる者 善法院の日々 自然に還る 九十年の歳月 あとがき 解説 末國善己 2016/05/14 発売