半百の白刃(上) 虎徹と鬼姫
越前の甲冑師だった長曽祢興里は、齢五十を前に江戸に出て、刀鍛冶を目指した。だが自己流で鍛えた無骨な刀身は売れぬ、と刀屋は冷たい。興里の刀の真価を見抜いたのは、鬼姫の異名をとる旗本家の美貌の娘邦香だった。なんと死体を重ね、興里の刀を振り下ろしてみせた。鬼姫との出会いが興里の道を開くか。
越前の甲冑師だった長曽祢興里は、齢五十を前に江戸に出て、刀鍛冶を目指した。だが自己流で鍛えた無骨な刀身は売れぬ、と刀屋は冷たい。興里の刀の真価を見抜いたのは、鬼姫の異名をとる旗本家の美貌の娘邦香だった。なんと死体を重ね、興里の刀を振り下ろしてみせた。鬼姫との出会いが興里の道を開くか。