女王(下)
古代史研究家であった妻、加奈子から、父の日記を手渡された荻葉史郎。父の春生は「自分はまちがいなく南北朝の末期にも生きていた」と記し、また、燃えさかる炎のような瞳をもつ女王、卑弥呼のもとにいたことをも詳細に記録していた。壮大な歴史の渦に呑み込まれた父と息子の軌跡を描く、連城ミステリーの精華。
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女王女王
戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを。一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された。邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか?瓜木は史郎と彼の妻・加奈子とともに奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に極められた邪馬台国の謎であった。衝撃の展開、男女の情愛…連城ミステリーのすべてが織り込まれた傑作! 2014/10/29 発売