レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち
ヴィクトリア朝ロンドン、チェルシーに暮らす自由闊達なレディ・シーモア。その使用人たちは、いずれおとらず個性的。なかでもレディーズ・メイドのシレーヌは、有能で美貌、洞察力にもすぐれているが、この上なく無愛想。愛すべき登場人物たちが、世紀末のロンドンを舞台にのびやかに闊歩する!
パーティーの最中、子爵令嬢の耳元から消えた「エトワール」と呼ばれるダイヤの耳飾り。その行方を知るため伯爵家からの使いとしてレディ・シーモアを訪ねた老メイド・パメラは、風変りな女主人に目を瞠る。アラブ風の白い寛衣に身を包んだ少女のようなレディは、まるで魔法のように耳飾り喪失事件を言い当てるのだが……。
第一章 チェルシーの妖精女王
第二章 消えたダイヤモンド
第三章 お向かいは謎だらけ
第四章 見えないファントム・レディ
第五章 我が主に仇なす者は
第六章 ロイヤル・アルバート・ホールの悪意
第七章 地獄の火倶楽部再臨
エピローグ/ロンドンへ!
あとがき
参考文献