竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末 上 万里波濤編
仙台藩下級藩士の婿養子だった玉虫左太夫は、学問を究めるため江戸に出奔した。昌平坂学問所の林復斎に認められ、仙台藩江戸藩邸の儒学者・大槻磐渓に邂逅する。世は、黒船騒動から安政の大獄の時代。蘭学を学ぼうとした左太夫は、日米修好通商条約のために渡米する外国奉行・新見豊前守の従者となる機会をつかむ。安政七年、咸臨丸の勝海舟を追うように、左太夫の乗った船は品川沖を旅立った。左太夫にアメリカはどう映ったのか?
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幕府と薩摩、長州の勢力争いのなか、左太夫は夢を形にした。世界周航から帰国した左太夫は、藩から京洛の動静を探るよう命じられる。坂本龍馬らと接触して西国の情報を仕入れていると、薩摩と会津が手を組むという事態が起こる。めまぐるしい政変に、左太夫は急ぎ国元を目指したー。 2016/12/07 発売