地上生活者 第6部 最後の試み
近代朝鮮に資本主義の萌芽はあったのか。朝鮮のブルジョア革命をめざそうとした金玉均とは何だったのか。若い時代から漠然と思考し続けてきた考えが、作家自身のなかで少しずつ増殖していたー。一九八〇年代、小説を書かなくなった趙愚哲は、物理学者・安淑伊との関係を妻・洪玉姫に打ち明け、別れを告げられている。家を出たものの離婚に踏み出せずにいるぼく愚哲は、三人の息子を気にかけながらも、民族文化運動「統一クッ」の公演、新しい雑誌「民濤」の創刊のために奔走する。
近代朝鮮に資本主義の萌芽はあったのか。朝鮮のブルジョア革命をめざそうとした金玉均とは何だったのか。若い時代から漠然と思考し続けてきた考えが、作家自身のなかで少しずつ増殖していたー。一九八〇年代、小説を書かなくなった趙愚哲は、物理学者・安淑伊との関係を妻・洪玉姫に打ち明け、別れを告げられている。家を出たものの離婚に踏み出せずにいるぼく愚哲は、三人の息子を気にかけながらも、民族文化運動「統一クッ」の公演、新しい雑誌「民濤」の創刊のために奔走する。