氾濫の家
「お前のためを思って言っている」「お前は黙って従っていればいいんだ」「誰のおかげで食ってこられたと思ってるんだ」
これ、うちのことじゃんーー全国の書店員さん騒然!
郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。
ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。
平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。
『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異色のサスペンス作家、今回のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」!
第一章 事件
第二章 波紋
第三章 拡散
第四章 事故
終章 そして氾濫が