小説むすび | ホワイトルーキーズ

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北海道の片田舎にある空知総合病院に四人の研修医が赴任してきた。風見司は工学部の大学院を修了後、医学部に編入した経歴の持ち主であり、病院という環境に慣れずにいた。初日から心肺停止の患者に出くわすなど、医療現場の厳しさに打ちのめされる。沢井詩織は都内私立大学の医学部を卒業後、実家の医院があるこの地方に戻ってきたが、医師になってから見える景色は違っていた……。朝倉雄介は貧しい母子家庭に生まれ、生活苦の中で医師を目指したが、思い描いていた生活とのギャップにうんざりしていた。清水涼子はかつて祖父母の主治医であったベテラン医師と出会うが、患者の家族として見えた姿と、同じ病院で働く医師として見る今の姿は違っていた。新米研修医の同期四人は失敗と成長、喜びを分かち合いながら院内を奔走する。二年後に医師として独り立ちすることを夢見て、空知の青空に希望を乗せて……。

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北海道の『空知総合病院』で働く研修医四人は、研修開始から三か月がたち、本格的な夏を迎えようとしていた。少しずつ医療現場に慣れつつある彼らであったが、新たな科に配属になるや否や、超緊急帝王切開が必要な妊婦が救急搬送されてくる。母子に命の危機が迫る中、産婦人科医や小児科医たちが必死で母子を救おうとするのに対し、研修医の清水涼子はなすすべもなく立ち尽くすばかり。彼女はなにもできない無力さを痛感し、病院という場所で働く重責を再認識する。小児科に配属された風見司もまた、初日から厳しい出産に立ち会って自分の未熟さに打ちひしがれていた。末っ子の彼は子供にどう対応していいのかわからず、四苦八苦していたが、次第に診察を通して子供に向き合っていく。朝倉雄介は高齢者医療に携わる中、祖母と暮らしていた頃を思い出し、貧しかった昔と、医師として歩み始めた今の自分を見つめ直していた。そんな折、高齢の女性患者の脱走に出くわしてしまう。彼女が向かった場所はー。沢井詩織は人付き合いが苦手ながらも、近頃は患者との対話にも慣れつつあった。しかし一人で患者を回診していたある日、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう。そして夏の終わりに北海道でも新型コロナウイルス感染症が流行し、ついに空知総合病院でも感染者が確認された。四人もコロナ禍で働く現実を実感せずにはいられなかった。 2022/05/23 発売

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