60年代末期の熱狂の中で出会った男と女。学園紛争、デモ、反戦集会。杜の都・仙台で芽生えた小さな恋が20年ぶりに甦る、危険で甘美でミステリアスな長編小説。(解説・佐々木 譲)
学園紛争、デモ、フォーク反戦集会。森の都・仙台。バロック音楽の響く喫茶店で出会い恋におちた二人。野間響子・18歳、家族と別れて暮す高校三年生。堂本渉・21歳、不思義な雰囲気をもつ大学生。悪夢のようなあの事件がなかったら、恋にも別な結末がありえたのだろうか…。60年代末期のあの熱狂は何だったのだろうか…。激しい時代の波のなかで花開いた危険で美しい恋。新境地をひらく長篇小説。 1990/07/01 発売