性への憧れ、大人への目覚め。明治30年代、九州北部。円太郎の女人遍歴はいよいよ佳境に。
「あなたはもうりっぱに一人前の男。だからあちこち女に手を出しちゃいけんと。キクちゃんだけを可愛がって」と円太郎を諭す隣家の人妻アレ。しかし主人公・里見円太郎も14歳。旺盛な性への探求心はあふれんばかりである。幼馴染みのキクとの“相互愛撫”から村で一、二を争う器量よしの間垣ナミに抱かれる快美感と、とどまるところを知らず。村の男たちの交情話にもますます性への想いをつのらせる円太郎であった。傑作大河性愛小説。 1996/12/10 発売