小説むすび | ミダスの汚れた手

ミダスの汚れた手

ミダスの汚れた手

現代化の波が押し寄せるギリシャの街アルカディア。パンデリス親子もまた、さらなる利益を求めて観光客誘致に躍起となり、人里離れてひとり静かに暮らしているガブリリス老人の土地を、ヴィラ建設地にしようと目論んでいた。そんななか、ガブリリスがひき逃げ事故で命を落とす。折しも故郷に戻ってきた太った男ヘルメス・ディアクトロスは、友人ガブリリスを偲びつつ、真相の究明に乗り出す。地元の警察、マスコミ、開発者…各々の利権や欲望が露呈し、事件は意外な結末を迎える。娘を黄金に変えた古代ギリシャのミダス王の悲劇が、再び現代に繰り返される。

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