風の生涯(下巻)
自らの理想に忠実であるために共産党を離れた重也は、地下に潜り文学に没頭していた。ある偶然から手を染めた実業の世界。巨大化する企業の中で、重也は新たな道を選ぶー。裏切りと策略に翻弄されながらも、押し寄せる運命を背負おうとした後半生。史上空前のマスメディア帝国に君臨した男の、円熟期までを描く大河小説。堂々たる人生を歩む重也の、締めくくりの大仕事とは…。
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風の生涯(上巻)風の生涯(上巻)
代議士を曾祖父に持ち、「三沢の矢野様」と呼ばれる豪農の家に生まれた重也は、両親の配慮ですぐに里子に出されてしまう。本家と里子先の貧富の差に思い悩んだ幼年期、養母や親友との死別、関東大震災など、幾多の挫折を経て旧制一高、帝大へと進学。文学者を志望した重也は、フランス文学などの翻訳に精力的に取り組む一方、マルクス主義に惹かれて、共産党に入党。革命運動に身を投じるようになり、党の密命を受けて中国へ渡ることになる-。一代にして大コンツェルンを築き上げた男・矢野重也その数奇な運命を描く大河小説。 2000/10/25 発売
風の生涯(下巻)風の生涯(下巻)
自分の理想と共産党の現実に悩み、離党した重也は、党からの激しい批判を受けながらも、地下に潜って文学活動を続けていた。地下活動の最中、ひょんなことから友人と共に再生紙工業を起こし、実業の世界へ進出。再生紙工業が成功し、企業が大きくなるにつれ、重也は自分の中の文学者としての顔と、ビジネスマンとしての顔の間にジレンマを感じ始める。そんな悩みをよそに、重也はラジオ局、テレビ局、新聞社の社長を歴任、史上空前の規模の巨大なマスメディア帝国を築いていくのだった-。マスメディア帝国はいかに構築されたか?波乱の生涯を描く大河小説。 2000/10/25 発売