神に与えられた自然にふさわしく、人間もまた美しく創られたはずだ。だが、なぜ故なく人は傷つけ合わねばならないのだろう。愛し合いながら、ふとした運命のいたずらから、ついに結ばれることのなかった貴乃と孝介。大正末期から日本の敗戦に至る時代の波にもまれながら、二人がひたすら耐え、生き抜く姿を感動的に描く長編ロマン。 1989/12/01 発売