屈託のない上海時代に「とうさま」と呼ばれた父は戦後、失職し権威は崩壊した。母の名前を呼び続け父は死んだ…。私にも母にも懐かしいその父はいま山頂の墓地を離れロッカー式納骨堂に静かに眠る。14歳の夏長崎で被爆した私の生と死の現実を描く短編集。