吉里吉里人 下
独立二日目、吉里吉里国の通貨イエンのレートは日本円に対して刻々上昇、世界中の大企業が進出した。だが国外から侵入した殺し屋や刑事らも徘徊、ついに初の犠牲者が出る。さらに日本国自衛隊も吉里吉里国最大の切り札四万トンの金の奪取に乗り出した。SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て…小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。
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吉里吉里人 上吉里吉里人 上
ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に…大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。 1985/09/27 発売