絶唱
五歳のとき双子の妹・毬絵は死んだ。生き残ったのは姉の雪絵──。奪われた人生を取り戻すため、わたしは今、あの場所に向かう(「楽園」)。思い出すのはいつも、最後に見たあの人の顔、取り消せない自分の言葉、守れなかった小さな命。あの日に今も、囚われている(「約束」)。誰にも言えない秘密を抱え、四人が辿り着いた南洋の島。ここからまた、物語は動き始める。喪失と再生を描く号泣ミステリー。
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山陰の大地主の跡取り息子として何ひとつ不足のない生活を送る青年園田順吉が、初めて知った真実の恋。その相手は山番の娘小雪だった。身分差ゆえ、順吉は勘当され、ふたりは松江に逃げ、友人の庇護でささやかな新世帯をもち、労働生活を始める。幸福もつかの間、順吉は戦争にとられ、残された小雪は…。ドラマ化・映画化された、至高の青春純愛小説の金字塔。 2004/12/20 発売