道元禅師(中巻)
宋の天童寺で念願の師・如浄和尚に出会い修行に励んだ道元は、心身脱落の境地を得て嗣書をさずかり印可を受けた。帰朝すると、ひたすら坐禅を行なう只管打坐によって悟りを目指すその教えを慕い、のちに永平寺二世を継ぐ懐奘らが入門してくる。道元は安嘉門院邦子内親王らの援助を得て、京都深草に興聖寺を建立。初めて自らの道場で、多くの弟子や信者を前に説法をするのだった。執筆九年、日本曹洞宗開祖の実像に迫る記念碑的作品。第三十五回泉鏡花文学賞、第五回親鸞賞。
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源平戦乱の余燼さめやらぬ鎌倉初期、京都の摂関家・藤原基房の娘伊子を母に、村上源氏の流れを汲む名門家の歌人・久我通具を父に生まれた道元は、瞳が二重の「重瞳の子」のため天下人か大聖人になるとの予言を受ける。幼少のうちに母を失い世の無常を身に染みて感じた道元は、真実の道を求めて出家。建仁寺で栄西の弟子・明全に師事したが、正法を求める思い止み難く宋へと向かった。仏教の革命者の全生涯を描いた初の大河小説。第三十五回泉鏡花文学賞・第五回親鸞賞。 2010/07/01 発売