島津奔る(下巻)
秀吉の朝鮮出兵後、景気は急速に衰え、戦後不況が猛威を振るう中、戦国末期の日本は、東西両軍が対峙する関ヶ原の戦いで活路を見出そうとしていた。薩摩の太守・島津義弘は兵力不足にもかかわらず、わずかな家臣を引き連れて関ヶ原へ向かう。劣勢を承知の上で戦いに挑んだ義弘の真意とは?現代政治の不毛と重ね合わせながら「関ヶ原」を再現し、指導者のあるべき姿を示した傑作。
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嵐が過ぎ去るのをただ待つは、人の上に立つ将の器にあらず。われに救国の知謀、秘策あり。国もとから援兵は届かぬ。恃むは己の才智と志を一つにする家臣のみ。いざ、一大決戦の関ヶ原へ。太守・島津義弘の窮状を知った薩摩隼人は国抜けの汚名を覚悟して三百里の山海を奔った。そして屍山血河の関ヶ原から国もとへ義弘は生きて帰らねばならぬ。さもなくば、故国は関ヶ原の勝者にたたき潰され、時代の奔流にのまれてしまう-。卓抜な着想と深い洞察が冴える関ヶ原合戦史の決定版。 1998/12/25 発売