晏子 2
太公望以来の斉の悲願、東方の国、莱の併呑。その重責を一身に負った将軍晏弱は僅か五千の兵でそれを成し遂げると宣言した。迎え撃つ莱の智将王湫は一万の精兵を束ね、虎視眈々と斉軍の到来を待ち受ける。圧政に苦しむ敵国の民。彼らの命を何よりも尊ぶ人倫の人、晏弱のとった戦略は凡百の策士には及びもつかぬ大胆なものだった。策略と計略が水面下で激しく交錯する緊迫の第二巻。
関連小説
晏子(上)晏子(上)
国が、君主が、権臣貴人たちが、陰媒をめぐらし、権力と利を求めて右往左往するなかで、人はいかにふるまうか-。秦・晋・楚・斉の四大国が覇権を競っていた中国の春秋時代、斉の国で軍事の才を発揮した晏弱将軍と、その息子でのちに名宰相として斉の黄金時代を築いた晏嬰父子の見事な生き方を、激動と変転の歴史の中に描く長篇1700枚。 1994/10/20 発売