香乱記(三)
秦の不敗の将軍、章邯に包囲された絶体絶命の魏王を救うべく、田〓(たん)率いる斉軍は、臨済へと向かった。秦軍は二十万、迎え撃つ魏斉連合軍は十万。田〓(たん)は、章邯の自在な用兵、精緻な機略の前に苦戦を強いられる。田横は義を以て楚に援兵を乞い、楚の勇将項梁は、項羽・劉邦・黥布らを率いて、章邯の大軍と激突する。楚漢戦争前夜、帝国秦の終焉を圧倒的迫力で描く、驚天動地の第三巻。
関連小説
香乱記(一)香乱記(一)
悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、いずれも王となると予言。末弟の田横には、七星を捜しあてよという言葉を残す。秦の中央集権下では、王は存在しえない。始皇帝の身に何かが起こるのか。田横は、県令と郡監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが…。楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編、疾風怒涛の第一巻。 2006/03/28 発売
香乱記(ニ)香乱記(ニ)
始皇帝は没した。宦官・趙高の奸策により公子扶蘇は自害。皇帝として末子胡亥が即位した。胡亥・趙高により苛政はより激しさを増した。九百の雑役夫を率いて辺境の守備に向かっていた陳勝と呉広が、悪天候による移動の遅れから、「遅参も死、逃散も死、どうせ死ぬのならば」と、蜂起した。反乱軍は瞬く間に万を超え、ついに戦乱の火ぶたは切られた。群雄湧き起つ、烽火燎原の第二巻。 2006/03/28 発売