生きる歓び
作家に拾われた瀕死の子猫は、いっしょうけんめい生き延びた。死のぎりぎりの瀬戸際で「生」に目覚めた捨て猫の命の輝きを、抑えた筆致でやさしく描いた「生きる歓び」。作家・田中小実昌への筆者の関わりと想いを綴った異色の追悼小説「小実昌さんのこと」。生の中の死を見つめ、死の中の生を感じ取る。世界を肯定するための、新しく困難な文学の試みが結晶した短編二作を収録。
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生きる歓び生きる歓び
死のぎりぎりの瀬戸際で「生」に目覚めた片目の捨て猫。その存在の輝きが見事に結晶した「生きる歓び」。故・田中小実昌との懐かしい交流をもとに、「死者」をめぐる回想と批評の混淆空間を開示する異色の追悼小説「小実昌さんのこと」。生の中の死を見つめ、死の中の生を描く二編。 2000/07/30 発売