短篇の名手が贈る凝縮された作品群「モザイク」第3集。忘れかけていた人生の情景が鮮やかによみがえる。あれは、いつ、どこで見た、なんの模様だったろう-。遠い日の父の記憶を描く表題作など珠玉の小説17篇。
昭和31年生まれ、大阪で苦労して育った正行は、就職後、東京に出て羽振り良く暮らしていたものの、事業に失敗し、中学生の長男の面倒をみながら主夫としてヒモのような生活を送っていた。偶然再会した古い仲間との邂逅が、過去の自分の人生と向き合い、自分を変えて生き直すきっかけをくれる。読み終わった後、多くの気づきと清々しさをくれる感動作。 2021/11/22 発売