終戦当日、ぼくは故郷広島に向かった。この国が負けたことなんて、とっくに知っていたー。「あの戦争」に挑む、鬼気迫る中編小説。
終戦の日の朝、19歳のぼくは東京から故郷・広島へ向かう。通信兵としての任務は戦場の過酷さからは程遠く、故郷の悲劇からも断絶され、ただ虚しく時代に流されて生きるばかりだった。淡々と、だがありありと「あの戦争」が蘇る。広島出身の著者が挑んだ入魂の物語。 2014/12/24 発売