十三匹の犬
札幌から北京そして東京へー。物語の語り手は、一家で飼われてきた歴代十三匹の犬たち。戦前の明るい空気の札幌、戦争中から敗戦後の混乱の中での北京、引揚げ後の米軍の占領に始まる戦後から平成までの東京を舞台に、誰からも愛される犬、臆病な犬、高貴な犬、澄んだ目の犬、縄抜け名人の犬、猫と仲良しの犬、生涯の伴侶犬など、様々な犬たちが描き出す、その犬の一生と家族の歴史。
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カナダ・トロントのレストランバー“ウィート・シーフ・タヴァーン”で、ギリシア神話の神アポロンとヘルメスがビールを飲みながら、他愛もない話に興じている。話の流れから、ふたりは動物が人間の知性を持ったとしたら、幸せになるか、不幸になるかで、賭けをすることにした。何匹かの動物を選び、そのうち一匹でも死ぬときに幸せだったらヘルメスの勝ち、不幸だったらアポロンの勝ちだ。ふたりは、近くの動物病院にたまたま預けられていた十五匹の犬を賭けの対象に選ぶと、十五匹の犬はとつぜん、人間の知性を与えられ、変化をはじめる。ギラー賞、ライターズ・トラスト・フィクション賞受賞、一風変わった動物寓話。 2020/11/27 発売