秀吉の明国と朝鮮への野望は誰にも止められない。小西行長ら秀吉吏僚の隠蔽工作は国と民を泥沼の地獄へと導いていく。沢瀬甚五郎も否応なく渦中に巻き込まれた。
三河を二分した内乱の時、父が徳川家に弓を引いたため、逆臣の遺児として農村に逼塞していた沢瀬甚五郎は、祖父より剣や騎馬術、鉄砲術などを叩き込まれていた。傑出したその才覚は家康家臣の知るところとなり、嫡男、徳川三郎信康の小姓衆に取り立てられた。かつてない骨太な主人公と激動の時代!九年かけて書き上げた歴史巨篇。 2018/06/29 発売