小説むすび | 永仁の壷

永仁の壷

永仁の壷

出版社

新潮社

発売日

2004年10月20日 発売

加藤唐九郎が「私が作った」と告白した古瀬戸の壺は、重要文化財の指定を取り消され、壺を推薦した小山冨士夫は文化財調査官の職を辞した。世紀の陶芸スキャンダル「永仁の壺」事件。その後、唐九郎は折にふれて事件を語り、小山冨士夫は最後まで口を閉ざした-。偶然手にした小山冨士夫作のぐい呑みに導かれ、事件に引き込まれた「私」は、躯の奥に潜みつづける作家という存在そのものへのこだわりを揺さぶられてゆく…。嘘と本当のあいだを揺らぐ、複雑な人間心理をみごとに描ききる書下ろし長編小説。

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