1塁、2塁、3塁、本塁…一辺わずか90フィートのダイヤモンドで演じられる、凝縮された人生のドラマ。爽やかで酒落で、ちょっとほろ苦い野球小説集。
ダイヤモンドの出来事に写しとられた、様々な喜びと悲しみー。古ぼけたファーストミットに死んだ兄の青春を辿る少年、ホームプレートに戦災で失くした家と家族への思いを重ねる老審判など、生涯の四季それぞれを迎えた人々の姿を描く表題作など三編を収録。一投一打に宿った記憶が、いつしかそれぞれの人生への優しいオマージュを語り始める。直木賞作家による珠玉の作品集。 1995/10/01 発売