仕事ひと筋で、娘に構ってやれずにきた。せめて嫁ぐまでの数年、娘と存分に花見がしたい。ひそかな願いを込めて庭に植えた一本の桜。そこへ突然訪れた、早すぎる「定年」…。桜、萩、すいかずら、あさがお、花に託した四つのこころ。人情時代小説の決定版。