GMO(下)
ノー・モアGMOの声など、一顧だにしない米国企業の戦略。日本のイネまでも標的にした新たな経済戦争。先端技術が生み出す巨万の富。資本は一極集中し、弱き人びとは永遠に収奪される…。ボリヴィアで展開される密やかな開発、農民たちの反乱、暗躍する「組織」。圧倒的なスケールで、「現代のパワーゲーム」を描く国際サスペンス小説。
関連小説
お前は俺のものだ。持ち物の分際で逆らうな-女性が羨むほどの美貌を持ったショーンは、法律事務所のオーナーで同居人でもあるレナードのもの。彼を所有物として扱うレナードは、何事にも本気にならないプレイボーイ。彼が行きずりの相手・四季という少年を同居させ、ショーンの目の前で抱くようになったことで、2人の関係は微妙に変わっていく。レナードの横暴さに反発しながらも彼の魅力に惹かれていく四季と、レナードの真意が分からず翻弄されるショーン。それぞれの想いの行方は…アダルトハードなラヴロマンス。 2001/04/01 発売
除草剤でも枯れないコーンや大豆。カレイの遺伝子を持つジャガイモ。しかし、それはほんの「序曲」に過ぎなかった-。“神の手”を自在に操る巨大企業とワインビジネスの闇、優雅なるセレブたちの光と翳、北米アナポリスの放火殺人と南米ボリヴィアの奥地。すべての仄かな点と線が結びついた時、醜悪なる「真実」が現れる。 2003/07/30 発売
僕は《在日韓国人》に国籍を変え、都内の男子高に入学した。広い世界へと飛び込む選択をしたのだが、それはなかなか厳しい選択でもあった。ある日僕は、友人の誕生パーティーで一人の女の子に出会ってーー。 2007/06/23 発売
<内容紹介> 大学教授の主人公Dr.サマーヴァケーションと、彼の幼馴染キョウナとの手紙から始まるファンタジー。キョウナの家で飲んだ甘い麦茶の記憶とスマートフォンを操る美しい指先が誘う不思議な世界。母への反発を募らせる思春期の娘心とその底に流れる家族への愛情が静かに胸にせまる佳品。 <推薦>児童文学者 日野多香子 児童文学の新たな旗手として ありふれた日常が一人の作家の筆にかかると、 燦然と輝く別の世界にかわる。 藤谷さんの作品を読むとき私はいつもそれを 感じます。 それは作品そのものの魅力です。同時に、 その作品のなかでは、主人公のその後と深く かかわったりもします。 (中略) ともあれ、藤谷さんはこれからの若手の作家 として、とても楽しみなひとりなのです。 ◆もくじ◆ 一 キョウナの手紙 二 気になる麦茶 三 スマートフォンダマシ 四 Dr.サマーヴァケーションの手紙ーキョウナへの返信ー 五 死 エピローグ 児童文学の新たな旗手として 日野多香子 あとがきに代えて 2015/03/09 発売
デビュー作が文学賞を受賞し、個性的な顔立ちとファッションで一躍ベストセラー作家となった21歳のラウラ。書きたい衝動にすべてを捧げる日々を送る中、映画監督を志す大学生ダンガと出会い強い惹かれ合う。最高の理解者となった彼との密度が高まる一方、「デビュー作は超えられない」という新担当の暴言に激しく動揺してー。胸を焦がす衝撃作。 2016/04/12 発売
ピアニストを目指す、高校生の村上琴は、原因不明の症状で左手が利かなくなり夢をあきらめかける。そんな折、旅先で出会った二人の人物が彼女の人生を変えることになる。三人は自らに吹き付ける向かい風に立ち向かうべく、ある演劇作品の上演を目指し、劇団を立ち上げる。集まった仲間たちも各々に問題を抱えていた。幾たびかの試練を乗り越え、周囲の人々の協力も得て、ついに彼らの芝居の幕が上がった…。残酷な運命に敢然と立ち向かい、自らの人生を取り戻そうとする人々の勇気と友情、そして再生の物語。 2021/05/21 発売
イギリス最古の文学賞 ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞 受賞作品 刮目せよ、これは暴動と叛乱の文学である。 グレート・ブリテン、84年ーー大英帝国は内戦の瀬戸際にあった。 1984年。サッチャー首相率いるイギリス政府は一方的に炭鉱の閉鎖を決定した。これにより失職する労働者は二万人。これは宣戦布告だった。 炭鉱労働者の組合NUMのトップ、アーサー・スカーギルは告げたーー 我らの生活を守るため、ストライキを実行せよと。 だがストライキは収入の途絶を意味する。困窮する労働者たちのために、組合の中枢にいあるテリー・ウィンターズは奔走する。だがウィンターズには秘密があった。彼は同志を裏切っていたのだ。 ニール・フォンテインは始末屋だ。サッチャーの意をうけてストを潰すために暗躍する〈ユダヤ人〉の腹心だ。ニールは権力者たちの密談に耳を傾け、権力と手を組んで、労働者たちを潰してゆく。 〈修理工〉ことデイヴィッド・ジョンソンは雇われの暴力者だ。だがお偉方の腰巾着どもが卑劣な手段で彼を脅し、スト潰しの汚れ仕事を強制する。 そして政治と警察と労働運動の策謀が衝突し、軋みを上げる中、ストライキに身を捧げる労働者たちは困窮してゆくーー盗聴器がカチ・カチと音を立て、警官たちがガチャ・ガチャと装備を鳴らし、労働者たちを追いつめる。棍棒を振り下ろす。国家が監視し、脅迫し、暴力をふるい、叛乱の芽を踏みにじる。現代犯罪文学の旗手デイヴィッド・ピースが国家の暴力を描き尽くす。 ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞ーーウィリアム・ゴールディングやクッツェーといったノーベル文学賞受賞者も輩出、マキューアン、マッカーシー、フランゼン、ゼイディー・スミスらも受賞者に名を連ねる。『GB84』は2004年度の受賞作。84年の炭鉱ストライキをモチーフに、強者の残忍な策謀と、弱者の悲痛な叫びをデイヴィッド・ピースは刻みつける。原稿用紙換算1500枚、圧巻の60万字。この巨体に充満するのはパンキッシュな怒りであり、言葉で世界を転覆せんとする意志だーーノワールとは文学によるテロリズム、言葉による叛乱なのである。ジェイムズ・エルロイ『アメリカン・デス・トリップ』、馳星周『煉獄の使徒』に匹敵する暗黒の全体小説。 2025/08/06 発売
ストライキを潰すための汚れ仕事に従事する男たち。 その忌まわしい罪が彼らを狂わせてゆく。 押さえ込め。罠にかけろ。 帝国を揺るがす叛乱の息の根を止めろ。 おそるべき暴動の文学、ここに誕生す。 タイムズ、ガーディアン、オブザーヴァー、 サンデー・タイムズほか 英国高級紙がそろって絶賛! ストライキは30週間に迫り、国家による弾圧は激化の一途をたどる。首相マーガレット・サッチャーはストを続ける者たちを「内なる敵」と呼び、「自由にとって危険だ」と言い切った。組合の資産を差し押さえる訴訟が起こされ、警官は大軍を成して鉄拳を振るう。 サッチャーの意を受けてスト潰しに暗躍するスティーヴン・スウィートはカネを集め、策謀を練り、資本主義を守るためにカネをばらまく。その腹心ニール・フォンテインは汚れ仕事の手配をしながら過去の罪のもたらす悪夢に苦しむ。 デイヴィッド・ジョンソンは復讐のために動き出し、盗聴のエキスパート〈ティンカーベル〉ことマルコム・モリスは忌まわしい事件の真相を収めた録音をひた隠す。そして組合とともに徐々に追いつめられるテリー・ウィンターズは愛人ダイアンの手引きでリビア政府からの資金援助の申し出に応じ、最高指導者カダフィ大佐との会見に臨むがーー 歴史は告げる、1984年のイギリス炭鉱ストライキは1985年の3月に労働者側の敗北で終結すると。己の罪と恐怖に囚われた男たちの眠れぬ夜は、いかなるかたちで終わるのか? 現代イギリス文学の傑作にして唯一無二のライオット・ノワール。 2025/08/06 発売