山本周五郎長篇小説全集 24 季節のない街
その街は、どぶ川の西側にあった。七棟の長屋と朽ちかかった物置のような家が五軒、あぶなっかしく建っている。「電車ばか」の六ちゃんは自分だけの市電を街へ走らせ、日雇い稼ぎの増田さんと河口さんは、ある日突然、妻が入れ替わり、右翼の寒藤先生は資金調達に余念がない…。あけすけで小意地は悪いがお人好しの、愛すべき人びと、吹き溜まりに塵芥が集まるようにしてできた街ー。そこで巻き起こる悲喜劇と、したたかに生きぬく人びとの姿を、限りない愛着と共感を込めて描く名作!
その街は、どぶ川の西側にあった。七棟の長屋と朽ちかかった物置のような家が五軒、あぶなっかしく建っている。「電車ばか」の六ちゃんは自分だけの市電を街へ走らせ、日雇い稼ぎの増田さんと河口さんは、ある日突然、妻が入れ替わり、右翼の寒藤先生は資金調達に余念がない…。あけすけで小意地は悪いがお人好しの、愛すべき人びと、吹き溜まりに塵芥が集まるようにしてできた街ー。そこで巻き起こる悲喜劇と、したたかに生きぬく人びとの姿を、限りない愛着と共感を込めて描く名作!